どんな人でも職場で「あいつは仕事ができるやつだ」と認められたいもの。人から認められると自信がつき、「自分はこの組織に貢献できている」と実感ができて、職場での居心地が良くなるでしょう。
では、どうしたら人から信頼を得ることができるのでしょうか?
元関西大学の教授で、自宅に20万冊もの蔵書を持ち、文学論、社会論、経済論、人生論、歴史論など、あらゆる分野の書籍を著した故谷沢永一さん(ブックガイド的な本も多く執筆されていて、読む価値のあるお宝本がたくさん紹介されているので、お薦めです)の言葉が響きます。
谷沢さんは、「自分から進んで仕事をしたことは一度もない」と言っています。向こうからやってきたものを、ともかく引き受けたそうです。
そんなことを重ねていくうちに、人から次第に認められるようになったそうです。
様々な種類の仕事を引き受けていると、自分でできることの範囲が広がります。建物に例えれば、広くて強い基礎ができるということ。
基礎がしっかりしていれば、その上に巨大なビルを建てることができます。
また、人から「あいつに仕事を任せれば大丈夫」と、頼られる存在になります。
もっとも、仕事を抱え込み過ぎてはストレスの元になります。
引き受ける量は自分のキャパシティを超えない程度と決めて、一つ一つの仕事に「この線までできたらOK」という優先順位を設けて、効率化を図る必要があります。また、どうしても苦手な仕事は断ってもよいでしょう。
特に20~30代の若い人が実践すると、多方面に通じる能力が身に着き、加えて信用力が増すので、大きな仕事を任せられる40代以降には目を見張るような成果を上げることができるようになるでしょう。
来る仕事を拒まず引き受けるうちに、能力と人望が高まり、頼りにされる存在になるのです。