私も50歳を過ぎて、老いを意識する年代となってきました。しかし、いつまでも若々しくあり続け、仕事はもちろん、趣味の読書やアウトドアを目一杯楽しみたいと思っています。
そんな思いは、誰もが持っているはず。
そこで、今回は本多静六著「私の生活流儀」で述べられている不老長寿法を紹介します。
本多静六(1866-1952)は東京大学で林学の教授を務めながら、給料の天引き貯金を元手に、投資で巨万の富を築いた人物です。
晩年に蓄財の方法や有意義な人生を楽しむ秘訣など、示唆に富んだ書籍を残しています。そして、昭和27年(1952年)、86歳で没しました。当時としてはかなりの長寿でしょう。
本多翁が効果を実証済みの不老長寿法は以下の20ヶ条です。心がけ一つで実践できるものばかりなので、是非取り組んでみて下さい。
1.年をとるという考えを頭の中から駆逐せよ
→「自分は年をとった」と常に思っていたら、体もそのように反応し、実際に老化してしまいます。
適度に運動し、体力をつけて、「自分もまだまだいける」と自信を持ちましょう。
2.食料を厳に節せよ
→食べ過ぎは老化を助長することが、最新の老化の研究で明らかになっています。詳しくはデビッド・A・シンクレア著「LIFE SPAN 老いなき世界」を参照してください。食事を減らすことが老化の治療法であると断言されています。私は夜ごはんは30gのナッツのみにしたら、体重が減って体が軽くなり、集中力も持続するようになりました。
3.常に前途を楽しめ
→年齢を重ねると、過去の思い出に浸ってしまう傾向があります。十代の頃は将来のことばかり考えていたはず。何歳になっても、目的を掲げて前進しましょう。
4.困難に挫折することなく、かえって良き教訓として奮起せよ
→逆境の中にこそ学びがあります。「これを乗り越えるとさらに成長ができるんだ」と、自らを励まして立ち向かいましょう。
5.憤怒するな
→怒りは強いストレスの元凶になります。心臓の不整脈や、睡眠障害、高血圧を引き起こし、老化の原因となります。「人間の器量はどの程度のことに怒るかによって測り得る」ということを胸に刻み込んで、少々のことでは怒らないように気を付けましょう。
6.明日のことを思い煩うな
→心配することも睡眠不足につながり、体の不調を引き起こします。不安にさいなまれても、「まあ、なるようになるさ」と、楽天的に構えましょう。」
7.過去をして過去を葬らしめよ
→犯してしまった失敗は変えることはできません。悔やみ続けるよりも、「どうしたら事態を好転できるか」を考え、行動をしましょう。「終わりよければすべてよし」です。
8.働いて遊び、遊んで働け
→仕事の間に遊びを挟んでリフレッシュすることが、健全な心身を保ち、仕事の成果につながります。
9.娯楽を持て
→仕事で成果を挙げている人は、遊びにも手を抜きません。遊ぶことで仕事の疲れを癒すことはもちろん、リラックスしている時に、画期的なアイデアがふっと浮かぶこともあるからです。また遊びために仕事を早く片付けようと工夫をするので、処理能力が高まります。
10.金銭目的の競争場裡に立つな
→「お金がすべて」の信条で行動すると、人の気持ちにまで気が回らなくなるので、トラブルを起こしたり、ギャンブルにのめりこんで、大金を失うことにもなりかねません。強いストレスの原因となるので、健康や人とのつながりなど、お金に換えられない財産も大切にしましょう。
11.常に善事を行え
→人を助けて「ありがとう」と言われれば、その日一日気分がいいものです。自分自身も幸福感を感じるために、人には親切にしましょう。
12.思慮は密なるをよしとし、食物は淡きをよしとす
13.清潔なる食事と清潔なる思想
→考えを深めたり、高潔な思想を持ったりするには、先人の知恵に直接触れることができる読書が最適です。毎日読書の時間をとりましょう。
また国府田淳著「健康本200冊を読み倒し、自身で人体実験してわかった食事法の最適解」では、ブロッコリーなどのアブラナ科の野菜、緑黄色野菜、アボカド、納豆、味噌などが体に良い食品として紹介されています。私もこれらの食材を毎日食べていますが、身体の調子はすこぶる良いです。
14.新鮮なる理想と空気を多く吸え
→理想とする自分の将来像を描いて、実現のために必要なことに取り組みましょう。日々成長を感じることで、幸福感を感じることができます。
また、深呼吸をする習慣を身に付けましょう。先に息をはき切ると、自然と新鮮な空気をたっぷりと吸うことができます。
特に想定外のことが起こった時に深呼吸するクセをつけておくと、すぐに気持ちを落ち着かせることができます。
15.高尚なる目的と活動
→目的を持って生きると、毎日ワクワクしながら活動できるので、若々しくなります。とりわけ、自分にも人のためにもなる目標を持つと、行動に弾みがつきます。
16.生活を複雑にするな
→日常的に選択肢が多いと、ストレスの原因になります。例えば、「今日はどんな服を着ようか」「今日は何を食べようか」などと考えるだけで気力が消耗します。着る服はお気に入りの数着だけを残し、食事は決めたものだけを食べ、選択肢を持つのは重要な事項に絞りましょう。
17.笑って、若やぐべし
→笑っている間は少なくとも心配事や嫌なことが頭から消滅しています。よって笑う回数が多いほど幸福度が高いということになります。日常の些細なことにも面白味を見つけるように心がけましょう。
18.猪突猛進の生活はするな
→実績を上げることを急ぐ余り、休憩をとらずに仕事をしたり、徹夜をしたりすると、健康を損ない、かえって進捗が遅れることにつながりかねません。
成功への道は長丁場と心得て、淡々と継続的に取り組みましょう。
19.後日のために貯蓄せよ
→急な出費に備えて、毎月決まった額を天引き貯金しておきましょう。本多静六著「私の財産告白」では、実践的な蓄財法が述べられているので、興味のある方はご一読下さい。
20.自己のためにのみ生存せず、他人のために生きよ
→ベストセラー「嫌われる勇気」の主題である、アドラー心理学で定義されている幸せの条件は、「自分の能力を発揮し、それが他の人の役に立っていること」です。
細心の脳の研究では、人に親切にすると、親切をされた人はもちろん、自分自身にも「人とつながる幸せ」をつかさどる脳内物質であるオキシトシンが分泌されることが明らかになっています。
また、自分の能力を発揮することで、達成感をつかさどるドーパミンも分泌されます。
これで幸せの3要素である「人とのつながり」、「達成」、「健康」のうち、前者2つの要素が満たされることになります。他人のために生きるのは、自分自身の幸せにもつながるのです。
以上、若さを保つための20ヶ条でした。
若さを保つことと幸福は密接につながっていますね。
最近、老いを感じて気分が優れず、体もだるいと感じているあなた、気分を一新して取り組んでみてはいかがでしょうか?
幸福感に満たされ、若々しく毎日を過ごせるようになること請け合いです。