仕事でミスをして上司に怒鳴られて落ち込んだ。
スキルを上げたいけど、なかなか上達しないので、はがゆさと焦りを感じている。
将来に対する漠然とした不安・・・。
どんな人でもネガティブ感情にとらわれる瞬間があります。
私もネガティブ感情にとらわれやすい人間です。5年前にやらかした失敗を思い出して自責の念にかられたり、人が自分のことをどう思っているのか気にしすぎて卑屈な態度をとったり、今取り組んでいる仕事が締切りに間に合わないか心配したり・・・
次から次へとネガティブな思考が湧いてきて、どん底の気分になる時があります。
しかし、ネガティブ思考を一瞬で消し、頭の中をまっさらな状態にして今やるべきことに集中できる方法に出会いました。「クヨクヨと悩むのは生まれつきの性格だから仕方がない」と、あきらめるのは間違いです。マイナス思考はテクニックで消去することができるのです。
その方法は、草薙龍瞬著「反応しない練習」に詳しく紹介されています。
この本には、2500年以上も前のインドで、ブッダが説いた原始仏教の教えの一つである、頭の中に湧き上がるネガティブ思考や雑念を一掃できる方法が書かれています。
「ブッダが編み出した方法なんて、苦しい修行が必要なのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、全く逆で、誰でも簡単に実行できます。しかも効果がすぐに出ます。
私もこの方法を試したら、「今悩んでいたことはいったい何だったんだ?」と拍子抜けするほど、頭がスッキリしました。
では、方法を紹介します。マイナス思考の正体は、心が「反応」することなのです。
ということは、「ムダな反応をしない」ことで、悩みを消すことができるのです。
「ムダな反応」を抑える方法は次の3つです。どれか一つ実践するだけで十分効果があります。
1.心の状態を言葉で確認する
心の状態を言葉で確認すると、「反応」から抜け出し、心は落ち着きを取り戻します。
例えば、苦手な人の前で緊張してしまったら、「わたしは緊張している」と言葉にします。トラブルでどう対処したらいいか分からないときは、「アタマが混乱して落ち着かない」と言語化します。
2.アタマの中を分類する
この方法は、「心の状態を言葉で確認する」に似ていますが、もう少し大雑把に言語化するやりかたです。頭の中に沸き起こる雑念を(1)貪欲、(2)怒り、(3)妄想、三つに分類するのです。
(1)貪欲
過剰な欲求に駆られている状態です。求めすぎ、期待しすぎ。人間関係をめぐる不満は、たいていこの「求めすぎる心」から来ています。貪欲に支配されると、自分自身が苦しいし、関わる相手も不幸にしてしまいます。
(2)怒り
不満・不快を感じている状態です。イライラしている、機嫌が悪い、ストレスを感じているときは、「これは怒りの状態だ」と理解するようにしましょう。
(3)妄想
想像したり、考えたり、思い出したりと、頭の中でぼんやりとなにかを考えている状態です。
「つい余計なことを考えてしまう」「落ち着いて物事に取り組めない」「あれもこれもやらなきゃ」「この先どうなるのだろう」という悩みの理由は、妄想にあります。
これらの3つのどれが心の中にあるのかを観察します。時には複数存在していることもあります。こうして心の中の雑念を分類すると、モヤモヤは晴れます。
3.感覚を意識する
この方法は、ストレスや疲れが溜まった心をリフレッシュする、抜群の効果があります。
イスに座って手のひらを上に向けた状態で、脚の上に置きます。そこで手を握ったり、開いたりします。手を握ったり開いたりして、その感覚を見つめます。そして「このような感覚が生まれる」と意識します。
また体の感覚を見つめながら立ち上がり、歩くときは動く足の感覚、足の裏の感覚を見つめながら歩きます。同じ要領で、呼吸をしながら「お腹のふくらみ、縮み」や、「鼻先を出入りする空気の感覚」を感じ取るようにします。
上記の3つのうち、どの方法も実行してみると、頭から雑念が消え、安らいだ気持ちになります。
雑念があるだけで精神が疲れることを実感しました。この方法を日常生活に取り入れば、心身の疲労度がウソのように軽くなるでしょう。
そして、平穏な心で仕事や自己啓発に集中できること請け合いです。
ぜひお試し下さい。