「明日、A社との商談を任されたけど、交渉事は初めて。私は口下手で言いたいことの半分も伝える自信がないし、結構重めの案件。ああ、今晩は眠れないよ」
とお悩みのあなた。
交渉事は、むしろ口べたな人が訥々とやったほうが、うまくいくことが多いと、大前研一氏は著書「サラリーマン再起動マニュアル」で述べています。
なぜなら、相手は自分が交渉をコントロールしていると思ってくれるからです。
口下手はメリットだと前向きにとらえて下さい。
また、同書には交渉事がうまくいくコツが紹介されています。
まず、交渉のうまい人は、自分で交渉しているという意識がありません。逆に言えば、「これは交渉だ」と意識したとたんにうまくいかなくなります。
交渉で大切なのは、交渉相手に興味を持つことです。相手が経営者だったら、会う前にグーグルなどでその人のプロフィールを調べて、キーワードをいくつか覚えておきましょう。
例えば、出身地、最終学歴、社歴、社長になった経緯、尊敬する人物、趣味、最近の発言録などです。
ただし、会ったときにそれらのことを自分から積極的に話してはいけません。
あくまでも、相手に話の主導権を持たせて耳を傾けましょう。
その中で覚えていたキーワードが出てきたら、「そういえば○○さん、○○県のご出身でしたね」と話を広げていきます。
そうすれば、相手は警戒心を解くので、本題に入りやすくなります。
もう一つ交渉で大切なことは、3~5年たった時に、双方から感謝されるようなことしかやってはいけないということです。
だから自分の胸に手を当て、良心にかけてよいと思った交渉しか引き受けないことが重要です。
また、相手がその気になった段階では、懸案事項についても、きちんと説明しなければなりません。
つまり、万一うまくいかなかった時にはどうするか、想定外や最悪の状況になった場合にどうするか、などを文章に落としておくことが絶対に必要です。
また、大塚寿著「40代を後悔しない50のリスト」では、交渉力が強い人の特徴が紹介されています。
交渉力の強い人は大局的に物事を見ていて、単なる自社や自部門への利益誘導的な視点とは一線を画しています。
また、対立している意識ではなく、まずは相手の立場や状況を的確に把握し、その上で必ず共感している点について伝えています。
そうした上で、自分たちはこういう意見だと主張しつつ、落としどころを探るのです。
そして、交渉力というものは場数をこなすことによって磨かれるものということです。
以上、交渉事に強くなるポイントの紹介でした。
失敗を恐れずに、何度も挑戦して、交渉力を上達させて下さい。