「先輩のAさんは難しい仕事でも冷静に対応し、解決策を見つけるのが上手で、次々に新しい知識やスキルを取得し、さらにリーダーシップがあり、後輩の面倒見がいい。Aさんみたいになりたいけど、相当な自己鍛錬が必要だろうな。自分にはとてもあの境地にたどり着くことができないなあ」
と、仕事の出来る人に羨望のまなざしを向ける以外に、一歩も動けないあなた。
あなたも、あなたが思う以上に、楽に尊敬する人物像に近づくことができます。
けんすう著「物語思考」に、その方法が紹介されています。
その方法とは、ズバリ「物語思考」です。
「物語思考」とは、
「未来になりたい像から逆算し、そのなりたい像に向かって進めるキャラを作って、行動していく」
という、「成長物語」を作り、あえて思考と行動を変えていく方法です。
自分を物語のキャラとして扱うことで、他人事化して、客観的に見ていくことができ、いきいきと自分が生きたいような人生を楽しめるようになります。
多くの人が「自分というものが存在して、その自分が動いている」と考えていますが、
「一番なりたい状態に近づくために、一番効果的なキャラは何か?」
と考えた方が、楽に理想の姿に近づくことができます。
つまり、
「自分はこういうキャラクターだと認識する」
→そのキャラがやりそうなプロセスを実行する
→結果が出る
という順番でやるといいのです。
次にその方法を具体的に説明します。
まずは、「10年後に自分がなりたい状態」を制限なしに100個くらい書きます。
「100個なんて、一度に思いつかないよ」
とおっしゃる人もいると思いますが、途中でやめても大丈夫です。思いついたら書き加えて行けば十分です。大事なのは、楽しむことです。
次に、「リスト化したそれぞれの状態にたどり着きそうな人ってどんな感じだろう」と考えます。
そして、なりたい状態のリストをざっくり眺めながらざっくりとイメージし、それを体現している「実在の人物」を想像します。
「自分の意志で人生を進めている」のはこの人、「自由に生きる」はこの人、みたいにそれぞれの人物をあげます。
そうして作った「なりたい状態の人」のリストをもとに、その人がどういう性質を持っているかをひたすら書いていきます。
例えば、
・人からよくおねがいされる
・後輩の面倒見がいい
・やや上から目線で話す
・親切でおせっかい焼き
・人の好き嫌いがない
などです。
そのうえで、自分の「なりたい状態」のリストを再度眺めてみて、どの要素があると達成しやすいか?を考えてみます。
次は自分の生活の中で出てきそうなシーンなどで、そのキャラがどういう行動をするかシミュレーションします。
例えば、
朝起きたときに何をするか?→ゴロゴロしないで、すぐに起きて、活動を開始する。
どのように1日を始めるか?→あらかじめ立てていた予定を見直すことから始める。
・・・など、できるだけ多くリストアップしましょう。
できる、できないなどを考えずに、自分が作ったキャラに合わせていろいろなシチュエーションで考えてみます。
このリストを作り終わったら、実際にそのとおりの行動を試しにしてみます。
やっているうちにだんだんキャラの性格に近づいていきます。正確に言うと、自分の性格が変わるのではなく、
「そういう性格の人がしそうな行動をできるようになる」
のです。
「でもそれは、本当の自分に嘘をついて行動しているのではないか?」
と思う人がいるかもしれません。
でも、
「人は、人の内面を、その人の行動を見て判断する」
のと同じように、
「自分は他人が見ているのと同じように、自分の行動を見て、自分の内面がこうだと認識する」
のです。だから、
「行動を変えることで自分というキャラを変えることができる」
のです。
いかがでしたか?
以上の方法を実践することで、あなたは自分という物語の主人公になり、なりたい自分に向かって成長できるようになるのです。
是非お試しください。