「同僚のA君は、ことある事に私の仕事振りに意見を言ってくる。
プロジェクトの進め方はこうする方が良いだとか、資料の項目を並べる順序が間違っているだとか、あげくは電話での言葉の使い方が間違っているとか、まるで姑のように細かいことまで指摘してくる。
あまりにもうるさいので、『私は私の思った通りに仕事をさせてもらう』と、釘をさしてやろうか」
と、怒り心頭のあなた、ちょっと冷静になって下さい。A君の指摘が、悪意からきているものではないならば、有難いことかもしれません。
谷沢永一著「人間の見分け方」で、次のように述べられています。
直言はとにかく嫌だと拒絶するのは損である。少なくとも、向こうがこちらを見放していないからズケズケと言うのだ。
こちらを見限っていたら、物を言うはずもない。
「自分を大嫌いで付き合いたくないと思ったら、何も言わないだろう。何か言ってくれるだけで、多少好意はある」というふうに受け取った方が自分の得になる。
結構忘れがちですが、人は、本当に嫌いな人には決して話しかけないものです。目すら合わそうとしません。
あなたは少なくともA君には嫌われておらず、親身にアドバイスをしてくれているという、有難みのほうに思いを向けてはいかがでしょうか?
怒りにまかせて関係を悪くするより、ニコニコして「アドバイス、ありがとう。でも、この点は私の考えで進めたほうが効率的だと思うけど、どうかな?」などと、余裕を持った対応をしておいてはいかがでしょうか?
なぜなら、将来、A君の助言やサポートが本当に必要になる時が来るかもしれないからです。
ブレーン候補の一人として、いい関係を維持しておくほうが、あなたの得になるでしょう。