「取り引き先から作成を依頼されていた書類が、おおかた完成した。締め切りは今日の14時で、あと1時間後。でも、文章表現、配色、構図に気に入らない部分がいくつかある。締め切りを17時まで延ばしてもらって、満足のいくものに仕上げたいなあ」
と、こだわりを持っているあなた。
さっさと提出しましょう。
岡田斗司夫著「悩みのるつぼ〜朝日新聞社の人生相談より〜」で、次のように述べられています。
不完全なものでも「はい、できあがりです」と渡すのがプロだ。プロとは「納得できるものだけを出す」のが仕事じゃない。それは芸術家だ。
プロとは「納得できなくても締め切りを、約束を守ること」だ。「制限の中でベストを尽くす」「出来に納得できなくても、少なくとも堂々と人前では胸を張る」 それがプロとしてのプライド、矜持だ。
締め切りを厳守することは、プロとしてのこだわりよりも、ずっと優先するべきものなのです。
先方は書類の締め切り時間を基準にして仕事のスケジュールを立てているかもしれません。あなたの書類の提出が遅れることによって、大幅なスケジュール変更を強いてしまうかもしれません。
あるいは、先方が競合A社とあなたの会社のどちらかに仕事の発注を考えている場合は、締め切りに間に合わなかったという「実績」が、競合A社の受注に、有利に働くでしょう。
仕事にこだわりを持つなら、締め切りまでの範囲内に留めておきましょう。
タイムリミットが来たら、潔く終了しましょう。それが、本当のプロの姿です。