「同期のC君は、何でも器用にこなせる。データの分析、報告書の作成は、上司から指示を受けた当日に終わり、取引先との交渉事は電話1本で、短時間で完了する。しかもどれも結果を出すので、上司からの信頼が厚い。翻って、私は不器用で、図表やレポートの作成に数日かかり、取引先との交渉には何度も足を運ぶので、仕事を完了するのにC君の何倍もの時間がかかる。C君のようになれたらと思うけど、とても追いつける気がしないよ」
と、劣等感に悩まされているあなた。そのままでいいのです。
佐藤義亮著「生きる力」では、次のように書かれています。
世間から鈍物のように視られている人は、見通しなどという器用な真似ができないので、一歩一歩足を踏みしめて登っていくだけですが、そういう態度の前には、これを遮る何物もなく、やがて頂上に登りついて、目的を達成した喜びを味わうことができます。
大きな仕事を成し遂げるには、長い時間をかけて、労力を投入する必要があります。
器用な人は、反面、せっかちな面があります。成功するかどうか分からない、長期間を要する仕事には、「労力をかける価値がない」と、さっさと見切りをつけてしまいがちです。
一方で、不器用な人は、目の前の仕事しか見ることができないので、どんな結果が出るかもわからないまま取り組むうちに、器用な人がたどり着けない高みに到達する可能性があります。
不器用な人の最強の武器は、愚直に前へ進むことです。周りの人と自分を比べてクサることなく、真摯に仕事に取り組むことで、気が付けば大きな結果を出す可能性を秘めているのです。