「連日深夜までの長時間労働で、体力的にも精神的にも限界を感じている。おまけに上司や同僚からの嫌がらせや理不尽な要求にさらされている。もちろん、家族との時間も持てず、妻が育児に疲れて、口論が絶えない。これまでの人生で最悪のどん底だ。」
と、気持ちが沈んで這い上がれない気分になっているあなた。
そんな状況でも困難に突き進むことができる習慣を湯澤剛著「ある日突然40億円の借金を背負う-それでも人生はなんとかなる」から紹介します。
著者の湯澤さんは、大手企業でバラ色のサラリーマン生活を謳歌していたにもかかわらず、父親の急死により、自分の意志ではなく、その場の空気に流されて倒産寸前の家業と40億円の借金を引き継ぐことになりました。
16年間奮闘した結果、事業を復活させ、借金を返済し、「会社を継いでよかった」と思うまでになりました。
そんな湯澤さんが、死んでしまいたくなるような苦境に陥った時に正気になれる5つの方法を語っています。
1つ目は「自分の心の状態を常に把握する」です。
今、自分はどのような心の状態か?どんな感情が出ているか?ということを、常に客観的に意識します。
そして、感情的になったときには、「今、どういう感情が出てきているのか」を捉えるようにします。「あ、不安が出ちゃっているね」とか、「今日は憂鬱感が出てるなあ」とか「怒りモードになってるな」と言葉にすると、それで気持ちが楽になることは間違いないということです。
2つ目は「言葉遣い」です。
「どうせだめだ」「なぜ俺だけこんな目に・・・」「冗談じゃない!」「勘弁してくれ」こんな言葉を口に出す度に、弱気になり、被害者意識が強化されます。
そうなれば前向きな取り組みはできなくなるから、空元気、負け惜しみ、やせ我慢・・・何でもいいからプラスの言葉だけを口にします。
3つ目は「自分が見るもの、聞くものに気を配る」ことです。
湯澤さんは、戦没学生の手記である「きけわだつみのこえ」に救われていました。「ここに手記を書いている方々の無念に比べたら、自分の苦境を嘆くなんて甘えている」と思えたそうです。
また、エルガーの「威風堂々」や矢沢永吉のような、気持ちが盛り上がって勇気づけられる曲を意識的に聞いていました。
映画は主人公の生きざまに勇気をもらえるものの、好きなシーンだけを見てその都度勇気をもらっていました。
4つ目は、「原因を自分に探すこと」です。
湯澤さんは、トラブルが起こった時、他人のせいにしたら、立ち向かえないことを発見しました。それを「あのとき俺はあいつにああいう言葉をかけたのが悪かったんだ・・・」など、自分に原因を求めていけば、「それならこう説明してみよう」とか「今回はダメだろうが次は同じ失敗を繰り返さないようにしよう」と、二の舞を演じぬように注意できるようになりました。
5つ目は、「宇宙に思いを馳せる」です。厳しい現実に直面して心が折れそうになったときは、たいてい視野が狭くなって、目の前の問題に心が囚われます。
だから、自分のことなど些末な事象に過ぎないのだと思うために、広大な宇宙に思いを馳せます。何億光年も離れた星々を見ていると、目の前の問題など大したことはないと思えたそうです。
以上の5つの習慣をつくり、湯澤さんは何とか立ち上がって、事業を復活させました。
実際の地獄の体験から編み出された、最強の方法です。是非自分のものにして下さい。