「友達が昇進した」「同僚が褒められた」。そんな場面で、心から「よかったね」と思えないこと、ありませんか?他人が嬉しそうにしているのを見て、心のどこかで「それに比べて自分は?」と感じてしまったり、素直に喜べない自分に後ろめたさを感じる。そんな経験、あなたにもあるのではないでしょうか。
実を言うと、私も同じです。友人の成功を聞いた時、自分の中に小さな嫉妬心が芽生えたことがありました。「自分だって頑張っているのに」と思い、その瞬間、自分が嫌になる。 でも、それがあまり良くないことであると、ある言葉に出会って気付かされました。 谷沢永一さんの著書「人間通」には、こんな一節があります。 他人が嬉しがるのを見て自分の楽しみとする心躍りは人間性の宝である。 この言葉を読んだ時、私は「だから苦しいんだ」と思いました。他人の喜びを自分の楽しみにできないのは、人間性が低下していることに何となく気づいているからなのかもしれない、と。 では、どうすればよいのでしょうか?例えば、同僚の成功を目にした時、「自分のサポートが良い結果を与えたんだ」と前向きに捉える。 そんなふうに少しだけ視点を変えるだけで、他人の喜びを自分の喜びへと変えるきっかけがつかめるのです。 「でも、それは綺麗事じゃないの?」と思うかもしれません。確かに、無理に他人の成功を喜ぼうとするのは疲れることもあるでしょう。 けれど、他人の喜びを受け入れることで、自分の心が軽くなる瞬間があるのも事実です。 小さな場面から始めてみるのがおすすめです。例えば、誰かがうまくいった時に一言「おめでとう」と口に出すだけでも、心に一種のさわやかさが生まれます。 そのちょっとした心がけが、きっとあなたの心を豊かにしてくれるでしょう。 |