あなたは、もっとお金があれば幸せになれると思っていませんか? もっと出世すれば、もっと大きな家に住めれば、もっと高級な食事を楽しめれば…。そう思って頑張っているのに、なぜか満たされない。どれだけ手に入れても、次の「もっと」が現れて、幸福は遠のくばかり。
私もそうでした。収入が増えたら、それに見合った生活を求める。仕事で評価されても、次の目標がすぐにのしかかって、満足ができない・・・。
こんな思いを一掃して、スッキリさせてくれる言葉があります。
それは、フランスの貴族で、モラリスト文学者のラ・ロシュフコーが「箴言と考察」で述べている次の言葉です。
この世で最も幸福な人は、零細な富をもって足れりとする人であるので、偉大な人と野心深い人とは、この点で、最もみじめな人である。
なぜなら、彼らが幸福になるためには、かぎりなく富をあつめる必要があるからだ。
では、どうすれば「足るを知る」ことができるのか? それは、「感謝すること」 から始まります。例えば、朝のコーヒーをじっくり味わい、その温かさに感謝する。お気に入りの服を大切に着て、それを持っていることに感謝する。家族や友人と笑い合い、その時間の尊さに感謝する。
こうした小さな感謝を積み重ねることで、心は自然と豊かになっていきます。
「でも、それじゃあ向上心がなくなるのでは?」と思うかもしれません。けれど、「足るを知る」と「成長をやめる」は別の話です。感謝を忘れずにいれば、満たされない気持ちに振り回されることなく、自分のペースで進むことができます。
幸福とは、何かを得ることで生まれるのではなく、今あるものに感謝することで見えてくるもの。そう考えると、あなたの中にも、すでに十分な幸せがあるのではないでしょうか?