人間関係がぎくしゃくすること、たまにありますよね。例えば、相手を怒らせるつもりがないのに、ちょっとした一言で相手の機嫌が悪くなり、気まずい空気になる。
この繰り返しで、「なんで人間関係がうまくいかないんだろう」と悩んでいませんか? 正直に言うと、私も昔はそうでした。悪気はないのに、なぜか距離を置かれたり、話がこじれたりする。 そんな時に大いに役に立つのが谷沢永一著「人間通」で語られている、次の言葉です。 人間関係のぎくしゃくは、不用意な応対によって先方の自尊心への十分な会釈を忘れた失念に起因する。 つまり、人間関係がこじれるのは、相手の自尊心に気を配れていないから。では、どうすればいいのでしょうか? 谷沢さんはこう述べています。 人は誰でも腹の底でひそかに世を値踏みしている。その場合、誰でも自惚れが先に立つから相手の器量を実際より低く見積もりがちである。
自分が内心で見定めた評価をそのまま表に出せば、相手の自己診断より必ず下を行く結果となり、先方は不機嫌となり果ては怒りを誘う。
人の自尊心と衝突しないためには、内心での採点表を適度に水増しして、番付の位をぐっと上げておいて、それからおもむろに礼を尽くすしかない。 つまり、相手を「自分が思っているより少し上」に扱うのです。 例えば、部下の仕事ぶりを「まあまあ」と思っても、「いい仕事してるね」と声をかける。先輩に「そのくらい知ってるだろう」と思っても、「さすがですね」と敬意を表す。 そうすると、相手は気分を良くし、関係がスムーズになります。 「そんなお世辞を言っても見透かされるのでは?」と思うかもしれません。でも、あなたは相手の評価を実際より下に見ているので、少し高く評価することで、その評価が相手の自尊心と釣り合うのです。 結局、人間関係のカギは、相手の自尊心への配慮にあるのです。ちょっと意識するだけで、驚くほど周りの態度が変わります。あなたも、今日から試してみませんか? |