「何が原因か分からないけど、満たされた気持ちが持てず、日ごろからイライラが続いている。何かいいことが起こらないかな」
と、正体不明の不満をいだいているあなた。
今の日常のままで幸福を感じられるコツがあります。
中村天風述「信念の奇跡」で、次のように述べられています。
肉体本位の欲望を生活目標としていたら、どんな場合があっても「ああ、これでいい」ってことはないんだよ。それを巧みにコントロールしていくには、生活目標を霊性満足にするんです。
霊性の満足とは、自分の言葉や行いが人の心に喜びを与え、人に幸福を感じさせるように心掛けりゃいいだけなんだ。
霊性の満足は満たされなくても煩悶する気遣いはないし、いいことをしてるんだから、いいことが足らなかったら、もっといいことをするというだけでいいんだもん。
とんな偉い人間でも自分一人じゃ生きられない。それを考えたらば、常に自分の言葉や自分の行いを、嘘でもいいからできるだけ人を喜ばし、人を幸福にするほうに努力したらどうだい。
さらに、トラブルや病気に見舞われた時でも満たされた気持ちでいられる心構えについても述べられています。この心構えは、目からウロコの、逆転の発想です。
人生は死を重点として考えてこそ、死生観が徹底する。生を重点とするとね、生に対する執着念が盛んに燃え出すんです。
しかし、死を重点とすると、今こうして生きていることのありがたさが、しみじみと感じられるんだよ。
どんな場合でも、「生きている、ありがたい」と思って働いていれば、せっぱ詰まっても「もう駄目だ」っていうときにも、「俺はまだ生きている」と思えるんだよ。
特に、病のときや運命に阻まれたとき、より一層、この気持ちをはっきりもつようにしなさい。
「どんなに辛いことがあったって、生きているんだ」
ただもう、理屈抜きでそう思いなさい。
お金、モノ、名声など、ほとんどの人が求めるものから視点を変えて、人を喜ばせることや、「死んでいないこと」に有難みを感じることで、特別いいことが起こらなくても幸福や感謝の念を感じることができるのです。
日常においてなんとなく満たされた気持ちになれないあなた、感謝を感じにくいあなた。
是非お試しください。