何気なく言った言葉なのに、相手を不機嫌にさせてしまったり、「あなたは人の気持ちを考えていない」と直言されてしまったりして、落ち込んだ経験はないでしょうか?
そんな人は、「共感力」を鍛えたら、もっと楽に他人と接することができるでしょう。
谷沢永一氏は「人間通」で、「組織の要となり世の礎となりうるための必要条件はただひとつと言える。それは他人の心がわかることである」とまで喝破しています。
「共感力を鍛えるといっても、そんなものは、実際に人と接して、喜ばせたり、怒らせたりする中で身に着くのではないの?」
と、少し重荷に感じているあなた。
ロルフ・ドベリ著「Think clearly」に、リアルな対人関係抜きで、共感力を高める方法が紹介されています。
誰かの立場に身を置いて、その人の状況を体験すれば、相手に対する理解が深まります。その結果、共感力が高まります。
効率的に体験するには、できるだけたくさん、質のよい小説を読むことに尽きます。
ビジネス書を読むことは仕事で成果を上げるために必須です。
一方で、仕事は人との関わりが避けられないものなので、人の気持ちの機微も感じ取る能力も必要です。
ビジネス書はこの点を十分カバーできないので、小説を読むことで補いましょう。
「でも、世の中には星の数ほど小説があるので、何を読んだらいいのか迷ってしまうよ」
というあなたには、「書鬼」の渡部昇一さんと谷沢永一さんがタッグを組んで良本を紹介している本(多数出版されています)から、興味をそそられる小説を選ぶことをお薦めします。
共感力が高まるだけではなく、あなたの人間性そのものの向上につながるでしょう。
ちなみに、私はサマセット・モームの小説にはまりました。人間には正味のところ、何が必要なのかを教えてくれます。