「新製品の企画会議で、既存品にいくつか新規の機能を加えることが、満場一致で決まった。
でも既存品は元々あまり使われない機能が多く、操作も煩雑なので、新製品は機能を減らし、初心者でも直感的に扱える、シンプルな構造にしたほうがいいと思うんだけどな。
しかし、反対すれば、人をすぐに怒鳴るAさんや、人の批判をあちこちでしているBさんらの恰好のターゲットになってしまう恐れがある。
不本意だけど、ここは従うしかないかな・・・」
と、気弱になっているあなた。
人からの反応を気にし過ぎです。
小倉広著「もしアドラーが上司だったら」では、次のように述べられています。
感謝されたい。認められたい。馬鹿にされたくない。
しかしそれらはすべて自分の課題ではなく、相手の課題だ。相手の心の中を変えることなどできるはずもない。
できないことをやろうとするから苦しい。自分は自分の課題だけを考えたらいい。
この考え方は、スティーブン・R・コヴィー著のロングセラーである、「7つの習慣」で語られている「影響の輪」と「関心の輪」に通じるものがあります。
「影響の輪」とは、自分でコントロールできるもののグループ、例えばスキルの向上、健康管理、教養を深める活動などです。「関心の輪」は、関心はあるが、自分でコントロールできないもののグループです。例えば天気、人の機嫌、株価などです。
自分でコントロールできないことが思い通りにならなくて、いくら怒ったり、落ち込んだりしても、現状は変わらないので、あなたの貴重な時間やエネルギーを無駄遣いすることになります。
だから、他人の反応など気にせずに、あなたの信念に従って行動しましょう。
冒頭の例では、理由を述べながら「私はこう思うのですが・・・・」と、ソフトにあなたの意見を述べれば、大きな反発は受けずに、会議の方向性を変えることができるかもしれません。
仕事を自ら追いかける姿勢で取り組むことは、仕事に追われるよりもやりがいがあり、楽しく取り組むことができます。
そのために重要なことの一つが、他人からの評価や批判を恐れないことです。「他人の気持ちは天気と同じもので、自分で変えることはできない」と心得て、気にしないようにしましょう。
そうすれば、あなたは仕事を主体的に動かしている感覚を持てるようになり、楽しく取り組むことができるようになるでしょう。